娘が小さい頃手術した病気 正中頚嚢胞

健康

娘が6歳になる年でした。主人は海外赴任でアメリカへ先に行っていなかったので、私と子私と子供2人で生活していました。子供と3人での生活が慣れてきた頃、娘がふと、

「ママ見て~‼️上を向くと、ここ(首)が膨らむんだよ‼️~面白いでしょ~😊」と。

ん❓❓❓

全然面白くないけど😱💦💦

症状を確認すると、動かしても痛みはなく、触っても痛くないとのことでした。

娘は小さい子特有の頬がポチャッとした感じで、たまに2重顎になっているけどよく食べているからな~ぐらいにしか思っていませんでした。それが、彼女が上を向いて見せた首にはミカン(Sサイズ)ぐらいの大きさのコブがボコッと出ているではありませんか!?あまりにも大きくて、衝撃的で言葉になりませんでした。

その様子を彼女が察して、面白い物ではないんだ、大変なことなんだと笑顔がなくなってしまったことを覚えています。。我に返って、不安にさせてはいけないと冷静に振る舞うようにしました。

「大丈夫だよ。でも、ちょっと心配だから、病院に行こうね」と。

私は、看護学校を卒業して、大学病院の放射線科に勤めていました。放射線科というのは、がん治療のため、放射線治療や抗がん剤治療を受ける方が入院する科になります。

なので、腫瘍イコールがんではないのですが、がんを連想してしまい、主人もいないし、悪い方に考えてしまって不安で押しつぶされそうでした。

その後主人に電話で話して、少し落ち着くことができました。主人は遠く離れていきなり妻が泣きながら電話をしてきて、もっと驚いたと思いますが、落ち着いて話を聞いてくれ、大丈夫だから病院に行くようにと話してくれました。

翌日、とりあえず、かかりつけ医に受診しました。かかりつけのお医者様(内科)は、

「これはうちでは診れないから、耳鼻咽喉科へ行ってください」

と言われました。そして、その足で、耳鼻咽喉科へ。

診察して頂くと、耳鼻咽喉科のお医者様は、

「これは正中頚嚢胞だね。大丈夫だよ。切ったらお終いだから。」

と。さらっと話すこのお医者様の言葉がどれだけうれしかったことか😢検査もしていないのに本当に?と少し疑いましたが💦

それと同時に、5か月後にアメリカに向かう予定だったので、手術して間に合うのか?といろいろ考えながら、翌日紹介して頂いた総合病院を受診しました。診察して頂いて、総合病院のお医者様からも恐らく、正中頚嚢胞だろうということでした。

その後、娘は毎回泣きながら診察、検査をして、正中頚嚢胞と確定診断され、手術となりました。(CT検査は怖くて大泣きでした💦)3~4時間の手術で、手術後お医者様が手術で摘出したミカン大くらいの腫瘍を見せてくれました。こんなに大きな塊が顎の下にあったなんて本当に驚きました。そして、無事に終了したことに安堵の気持ちでいっぱいになりました😭
こちらの病院は子供の入院は家族同伴での入院となっていました。主人がいないので、両親、義両親、親戚のみなさん、ママ友に協力してもらいなんとか1週間ほどの入院生活を終えることができました。息子の面倒を見てもらうことが1番心苦しかったです😢

腫瘍の病理検査も悪性ではありませんでした。退院後、定期健診を1週間後、1ヶ月後、3ヶ月後にして、その後1年後検診(一時帰国の時に)も問題ないということで、病気は完治ということになりました。

1. 正中頚嚢胞とは

図1
図1

魚類では成熟すると鰓(エラ)と呼ばれている器官を形づくる鰓(サイ)性器官(鰓弓、咽頭嚢、鰓溝と呼ばれる場所)から発生すると考えられています。人間では、ほほ、あごからくびの大部分の構造はほとんどこの鰓弓と咽頭嚢からできてくると言われており、これらの発生(お母さんのお腹の中での成長)の過程で体の中に閉じ込められ、取り残された細胞が元になって袋(風船)状のできもの(嚢胞:外側が薄い膜で覆われたこぶ状の塊)ができることがあります。これら首の先天性頚部腫瘤(生まれつきにできる首のできもの)は症状などによりいくつかの病名で区別されていますが、首の正中にできるものは正中頚嚢胞(あるいは胎生期の器官名から甲状舌管嚢胞)と呼ばれています。この正中頚嚢胞は先天性頚部腫瘤の約70%を占めるもので、舌のつけ根から鎖骨の上端中央部までのいろいろな場所にできると言われていて、アゴと首の境目付近で首の真中の辺りにできるものがもっとも多いとされています。

嚢胞が小さなうちは無症状に経過しますが、大きくなって来ると(こどものうちは小さく腫瘤の存在に気付かないことも多い)外見上首の膨らみが目立ってきたり、化膿すると急に腫れたり場合によっては小さな穴が開き分泌液が出てくることがあります(生まれつきこのような穴があいている場合もあり、これは正中頚瘻孔と呼ばれています)。また、場合によっては、ものを飲み込みにくいという症状が出ることもあります。

2. 正中頚嚢胞の治療法

薬を飲んだり、待っていれば小さくなったり、消えてくるものではないので目立つものや何か症状が有るものは、手術により取り除きます。また、外見上目立たない場合、何も症状がない場合(このような場合には病院を受診していないことが多いと想像されます)経過観察でも良いですが、確定診断には摘出した腫瘤の組織診断(顕微鏡で細胞を調べる検査)を必要とします。

3. 正中頚嚢胞の治療により期待される結果

完全な摘出は通常可能ですが、場合によってはわずかな組織の取り残しが生じる可能性は否定出来ず、状況によって再発する可能性も否定出来ません。

手術による傷に関しては、首に横方向の線状の傷が残りますが、首では横方向の傷は皺に隠れて目立たなくなり、首の膨らみも治ります。

引用:日本形成外科学会 正中頚嚢胞

現在、娘は高校生となりました。首の手術後の傷も特に目立たず、なんともないようです。でも、本人にとってはあまり触れてほしくないことのようで、コンプレックスになっているのかもしれません。

親としては、先天性の病気とはいえ、手術までして、その後何事もなく成長してくれたことに感謝です。家族みんなで穏やかに生活することは本当に幸せなことなんだと思います😊🍀

因みに、主人の親族に側頚嚢胞で同じように小さい頃に手術した方がいたそうです。遺伝的な因子があるのかもしれません。

こちらは一例に過ぎないので、参考になるかどうかわかりませんが、どなたかの参考になれば幸いです🐻

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